医療法人設立認可の要件

医療法人設立の要件には、大きく分けて「人的要件」と「財務的要件」があります。

ここでは、詳細を順にご説明します。

医療法人の理事・理事長・監事・社員

理事3人、監事1人で最低4人必要

医療法人設立時の社員・理事・理事長・監事
医療法人社団の組織

役員

理事3人以上

 理事のうち医師または歯科医師1人を理事長に選任します。

 理事は、医療法人の取引先などの利害関係者は就任することができません。

 医療法上の要件では、理事が全員親族でも設立認可されます。
 ただし、千葉県など県によっては1名以上親族以外の人を理事にするように要求されることもあります。
 事前に設立認可申請する各県の方針をご確認下さい。

 なお、医療法人の理事の人数は、例外的に2名にすることもできます。
 理事2名とするには、常勤医師が1名の診療所を1カ所のみ開設している医療法人で、都道府県知事の認可を受けた場合です。

 実務上は、設立認可の際は原則通り理事を3名以上を選任しないと受け付けてもらえないとお考え下さい。

監事1人以上

 監事は理事の仕事をチェックする立場にあるので、医療法人の取引先などの利害関係者や理事の親族などは就任できません。
 特に資格が必要ではありませんので、税理士・会計士ではなくても就任できます。

 理事・監事のいずれも未成年や取引先企業の役職員の就任は実務上受け付けてもらえません。なお、取引先には顧問税理士やコンサルタントも含まれますので、これらの方は役員に就任できません。

医療法人の監事に就任できない親族の範囲

 参考までに民法で規定される親族の範囲は下の図の通りです。

 6親等内の血族と3親等内の姻族が親族にあたります。

 会ったことのある親戚、連絡先を知っているような親戚はほとんど親族の範囲に入るかと思いますので、医療法人の監事には就任できないと考えて下さい。

医療法人の監事になれない親族の範囲
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理事・監事の条件

理事・監事の就任予定者が欠格条項に該当しないこと

  • 成年被後見人又は被保佐人ではない。
  • 医療法、医師法、歯科医師法及び関係法令に現在及び過去2年間違反していない。
  • 禁固以上の刑に処せられ、刑を執行されているか執行猶予期間中ではない。

社員(設立者)

 原則として3人以上です。
 神奈川県など設立認可申請の際に、社員を親族のみではなく、親族以外の人を1名以上入れて合計4人以上とするように要求される県もあります。

 医療法人の社員は医療法人で働く常勤の従業員という意味ではありません。

 株式会社でいう株主のイメージに近いもので、社員総会では拠出金額にかかわらず1人につき1議決権をもつことになります。役員選任や定款変更には社員総会の決議が必要になります。

 拠出していない方でも社員になれます

医療法人設立に必要な財産

運転資金2ヶ月分に建物、医療機器など

拠出財産

①不動産、借地権
②預貯金
③医業未収入金
④医薬品・材料など
⑤医療用器械備品
⑥什器備品
⑦電話加入権
⑧保証金等
⑨内装付帯設備
⑩その他

負債

 拠出財産の購入のために借り入れた金融機関に対する負債は医療法人に引き継ぐことができます。
 たとえば、内装設備工事のための金融機関からの借入金は、内装設備を拠出する場合には資産と負債のセットで医療法人に引き継ぐことができます。
 運転資金や消耗品購入費用の負債は引き継ぐことができません。

 運転資金のための借入金を引き継げないため、場合によっては院長に借入金が残ってしまうとのではと多くの方がお悩みですが、これを解決する手段もあります。実績のある専門家に依頼しましょう。

リース契約

 院長個人から医療法人への名義変更について、リース会社の承諾があれば、リース契約を医療法人に引き継ぐことができます。

 実務上、リース会社が承諾しないことはあまり考えられませんが、リース会社の承諾書が必要ですので、事前の打ち合わせが必要です。

運転資金

 医療法人設立後の運転資金2か月分の拠出が必要です。

 運転資金は預貯金や医業未収金(国民健康保険や社会保険診療報酬支払基金の未入金分)など換金性が高いもので算出され、医療法人設立後の借入金は運転資金として算入出来ません。

 なお、医業未収金だけで運転資金2ヶ月分が確保できるのであれば、預貯金を拠出する必要はありません。

医院不動産の永続的な確保について

 医院の土地・建物は医療法人所有のものが望ましいとされてはいますが、長期(5~10年以上)の賃貸借契約について大家さんと合意できれば賃貸不動産でも全く問題ありません。

 院長個人所有の不動産を安易に医療法人に拠出すると、譲渡所得が課税されたり、将来的な相続の際に「小規模事業等宅地の特例」を受けられなくなったり、税制上必ずしも有利とは言えない場合もありますので、慎重に検討されることをおすすめします。

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